「ある人が、田んぼで遊んでいるシラサギに、いつも『シラサギちゃん』と声をかけていたんだって。したらそのうち、そのシラサギ、その人が運転する車を見たら寄ってきて、側を飛んだりするようになったんだって」。先日、取材に伺った先でそんな話を聞いて、心和んだ。
ペットにしている犬や猫ならともかく、野生の鳥と人が心通わすことなどできるのか。オウムやカラスなど賢いと言われる鳥ならまだしも、そのあたりにいるシラサギに、特定の人になつき、親しみの気持ちを行動で示すことなどできるのか。信じられない人もいるでしょう。でも私は「あり」だと思う。
わが家の周りにはいつも鳩がいて、玄関前に立つ電柱のてっぺんでポーポー鳴いたり、電線に止まって仲間の鳩と戯れたり、近くの木に巣をつくったりしている。しょっちゅう見かけるので、しばしば「パチオ」と声をかけている。「パチオ」とは、その鳩の名前。目がまん丸でパッチリとしているから私が名付けた。
「パチオ」と呼びかけると、こっちを振り向く。「よう、またお前か」と言わんばかりの顔でこちらを見返してくる。そのしぐさがかわいくて、まるでよく顔を合わすご近所さんのような親しみを感じている。鳩でもこんななのだから、シラサギだって「あり」でしょう。
忙しくて鳥になんか構っていられないというそこのあなた、ぜひ身近にいる鳥に声をかけてみてください。最初は逃げて行ってしまうでしょうが、続けるうち、鳥がこちらを意識して、そのうちかわいい反応を示してくれるはず。
身近にいる鳥とのささやかな交流を楽しめるほどの心の余裕を、持っていたいと思いませんか。(亜)


