みなべ町の手話サークル陽だまりが、結成から50周年を迎えた。耳が聞こえない、聞こえにくい人が気軽に集まって交流できる場にと住民有志でスタートし、50年も活動を続けるのは簡単にできることではなく、頭が下がる。毎週水曜日の夜に集まっており、最近は参加人数が10人未満なことが多いというが、参加したい人の受け皿になるのは大切なこと。50周年イベントを取材したが、みんなすごく楽しそうで、アットホームな雰囲気なのが印象的だった。当事者だけでなく、手話を習いたいなど気軽に遊びに来てほしいといわれていた。興味のある人はぜひ足を運んでみては。

 イベントでは聴導犬の利用者の永井正章さんの講話を聴かせてもらった。聴導犬という言葉は知っていたが、利用者の生の言葉に触れるのは初めてだった。紙面で少ししか紹介できなかったので補足したい。アパートで生活しているが、入居する際はペット禁止で最初は断られたという。県の機関に相談してようやく入居できた。飲食店や量販店なども同様で、入り口で警備員や店員に「ペットは禁止」と怒られることがほとんど。イベント当日も会場入りする前に立ち寄ったスーパーで同様の対応だったという。正直、理解はまだまだ進んでいないと感じているといわれていた。

 スマホ一つであらゆる情報が入手でき、AIなどデジタル化が進み、まるで足りないものはないような便利な世の中、自分は何でも知っているような錯覚にさえ陥るが、知らないことはまだまだ多い。バリアフリーも進んでいるように見えて、心のバリアフリーはそれほど進んでいない。聴導犬一つとっても、それが当たり前の世の中にしなければ。(片)