戦後80年という節目の年の終戦記念日を迎え、関連番組を視聴した。16日放映の「池上彰と考える〓戦後80年~戦争のない未来のために~」(テレビ朝日系)では、池上さんが開戦に至った当時の日本の状況を若い世代にも分かりやすく伝えていた◆番組では、アメリカの若者の原爆に対する考えも紹介された。終戦直後の米国における世論調査では原爆投下を正当と考える人が85%だったが、近年の調査では「正当化できる」が35%、「正当化できない」31%、「分からない」が35%と、3分の1ずつでほぼ拮抗しているという結果。若い女性からはその非人道性を「信じられない」と非難する意見が出され、日本に関心があり歴史を勉強したという男性は「日本は水面下で降伏を準備していた。原爆を投下する必要はなかった」とする意見を述べていた◆「たとえ原爆投下が戦争終結につながったとしても、それは深い哀悼と苦渋の思いを伴って語られるべきであり、胸を張って声高に自慢気に語られるようなものでは絶対にない」とかねがね思っていた筆者には、それは歓迎すべき変化であると思えた。終戦直後には一般に伝わっていなかった、核兵器による被害の実相が広く伝わったことも大きく影響しているかもしれない。昨年ノーベル賞を受賞した被団協をはじめ、世界に発信を続けてきた人々の努力が実を結んでいることを目の当たりにしたように思った◆終戦の日、戦時中の灯火管制から解放されて、夜になって灯りを点けられるのが本当にうれしく「家じゅうの電灯を点けて回った」と、終戦時に12歳だった母は回想する。ささやかだが実感的なそうした生の声を、語り継いでいけるようしっかりと記憶に刻んでいきたい。(里)


