ロシアカムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード8・8の地震。その時、筆者は御坊市内の病院におり、待合室で津波警報が出たのを知った。市は避難指示を発出。ところが、病院内ではみんな慌てる様子もなく、平常通り順番待ち。病院側も診察を続行していた。筆者も長い待ち時間を棒に振るのは嫌だと、そのまま待って診察を受けた。
避難指示と言えば5段階の警戒レベルのうちレベル4に当たり、全員の避難が求められる。レベル5の緊急安全確保はすでに災害が発生しているか、発生が差し迫っている状況であり、レベル4の段階での避難行動が非常に重要となる。避難場所の市役所5階には一時200人以上が詰めかけ、周辺町の高台にも多くの人が避難し、高い危機意識を持った人もいた。一方で、国道では普通に車が走り、コンビニや量販店、大型スーパーなども急きょ閉店するとこもあれば、そのまま業務を続けるところもあり、対応がバラバラ。震源から御坊までの距離約3500㌔、地震の揺れも感じられない中での避難指示に、正直筆者は緊張感を持てなかった。
自然災害で想定外の事態は起こりえることであり、もっと危機感を持つべきだと反省する半面、やはり引っかかるのは、今回のケースは警報まで出す必要が本当にあったのかどうかという点。三重県では避難中に車の事故で50代女性が死亡し、別のところでは熱中症で搬送される人もあった。津波被害がなくてよかった…それは全くその通りだが、津波予想や警報発出の精度がさらに高まることに期待。地震の揺れを感じない中での津波警報、避難指示への対応のあり方も、再度検証する必要性を感じた。(吉)


