夏休みも真っ只中。小中学生らは家族との旅行、川遊び、スポーツに没頭するなど学校生活から離れて比較的自由に過ごせる期間。普段はできないことに挑戦する絶好の機会でもある。反面、束縛されない自由な時間を持て余すと、一日をだらだら過ごしてしまうことも少なくない。
夏休みといえば、真っ先に思い出すのがラジオ体操だ。今や夏の風物詩として知られるこの習慣だが、きっかけは1930年に東京の神田万世橋署の巡査が子どもたちの健康と早起きを促そうと始めた「早起きラジオ体操会」だったという。町内会の協力を得て近くの空き地で実施され、この試みが全国へと広がっていったと言われている。
筆者が小学生だった50年ほど前も毎朝1㌔ほど歩いて集会所へとラジオ体操に出向いた。参加すれば上級生がカードにハンコを押してくれ、それを集めるのが楽しみだった。ときにはまじめに体操していないと、近くの大人の人から「きちんとしろ」と怒られた記憶もある。
だが、最近では、ラジオ体操を実施しない学校が増えている。理由をインターネットで調べてみると、朝早くからラジオを流すことで近隣から苦情が出るという。他にも以前と比べて子どもの数が減っていることもある。
一方で、夏の子どもたちを守る運動が各地で展開され、「地域ぐるみの健全育成」が叫ばれている。それであればこそ、せめて夏休みだけでも、地域で子どもたちの成長を支えるラジオ体操にもう一度目を向けてみてはどうだろうか。たとえ朝の放送が多少耳障りに感じてしまうことがあっても、地域の宝を育てると思えば、心地よいBGMに聞こえるかもしれない。(雄)


