20日の参院選和歌山選挙区では無所属新人の望月良男さんが初当選した。有田市長の経験と実績があり、一番の強みは世耕弘成衆議院議員の全面支援。元自民党の世耕さんは昨年秋の衆院選で参院から無所属でくら替え出馬し、自民党の二階伸康さんを破った。今回も同じような保守分裂戦を展開。全国的な自民党への逆風の中、無所属候補としての期待を集めるとともに、伸康さんの父で自民党元幹事長の俊博さんから続く政治体制への批判票の受け皿にもなった。約束を守れない政治家はいかがなものかと思う半面、「和歌山から日本を再始動するため、政治の空気を入れ替える」という大義のための決断もまた、政治なのかもしれない。

 一方、二階さんは多くの首長や議会議員、企業の支援を受けたが、及ばなかった。自民への逆風、鶴保さんの能登半島地震発言の影響も大きいが、あらためて反二階票の存在を真摯(しんし)に受け止めつつ、自身が言う県民の声をカタチにするためには、前に進まなければならない。父の秘書時代に築いた人脈や政策立案能力、そしてまだ40代の若さは大きな武器。議員経験がないなら、父が歩んだように地方議員から経験を積むことも一つの手ではないか。

 現在、県内の国会議員は比例を除くと、衆院の和歌山1区は自民党の山本大地さん、2区は世耕さん、参議院は自民党の鶴保さんと今回当選した望月さんとなった。ちょうど2対2。世耕さんの進撃はどこまで続くのだろうか。望月さんは保守分裂戦を振り返り、「しこりを残さない意識を持って地域の発展のために熱心に行動しなければならない」と話した。県の発展、そして融和にも骨を折っていただくよう期待したい。 (吉)