「心頭滅却すれば火もまた涼し」は、困難な状況でも心を無にすれば苦痛を感じなくなるということわざ。意味は少し違うかもしれないが、紀三井寺球場で連日熱い戦いを繰り広げている高校球児たちの姿を見ていると、このことわざが頭に浮かんだ。酷暑といっていい暑さの中でも、筆者のように暑さでうなだれることなく、最高のパフォーマンスを見せる選手たちを見ていると、暑さなんか感じていないように見える。暑さも忘れるくらいその一球に集中しているのだろう。見ている人の心を熱く、そして爽快な気分にさせてくれる。悔いのないプレーを祈りたい。
毎年言っている気もするが、最近の暑さは異常だ。筆者が子どものころの暑さとは質が違うように感じるのは歳を重ねたせいだろうか。まだ若いと過信は禁物。高齢になると体温調節機能の低下やのどの渇きを感じにくくなるといわれており、熱中症のリスクが高くなるという。昨年1年間の熱中症による死者数は2033人と過去最も多かった。昨年の交通事故死者数2663人に迫るほどで、熱中症対策が大きな社会課題の一つであることが分かる。
今年6月から施行された改正労働安全衛生法では、企業の熱中症対策が義務化された。各事業所では、休憩したいと言い出しにくい新入社員に熱中症患者が多い傾向にあるという。休憩を取りやすい職場環境、社員同士が体調の変化に目を配り合うことが求められる。
昔のように外で思いっきり遊ぶ、という暑さでもなくなってきた。命にかかわるという認識を持ち、熱中症対策をするのが当たり前の時代にしていく必要があるのだろう。健康に、安全に楽しい夏休みを。(片)


