日高地方でも最高気温が25度を超える夏日が観測されている。日高川町川辺と田辺市龍神で20日、正午までに26度を超え、川辺では2日連続の夏日となった。梅雨を迎えていない私たちのまちにも夏の足音がすぐそばまで近づいてきている。

 夏の風物詩といえば読者の皆さんは何を思い浮かべるだろうか。海、花火、浴衣、かき氷、ひまわりなど様々なものが連想されるが、筆者は夏といえばスイカを思い浮かべる。

 印南町や御坊市では人気品種「ひとりじめ」の出荷が始まっており、今年も甘さが充実した果実に仕上がっているという。ひとりじめは産地基準糖度が11度以上と甘く、ジューシーな〝シャリ感〟が特長で、家庭用冷蔵庫にまるごと入れて冷やすことができるサイズ。印南町と御坊市では140人が栽培しており、今年は約1200㌧の出荷を見込んでいる。

 スイカ作りに携わって約40年の大ベテランJA紀州地域本部スイカ部会の依岡正憲さん(64)=印南町山口=は「慌てず、力まず、楽な気持ちで取り組む。(生育は)スイカに任せ、過度に手をかけない」「思ったものができたらスイカ作りはおもしろい」と栽培に対する姿勢を話してくれた。ついつい肩に力が入ってしまう筆者にとって依岡さんの言葉は良い教えとなった。

 取材日から数日後、運良く我が家にも小玉スイカがやって来た。スイカの種を飲み込むとおへそから芽が出てくると思い、懸命に種を除いた幼少期を思い出しながら、ひと思いに「がぶり」と頬張り、口いっぱいにスイカを楽しんだ。

 今回の取材はスイカで夏の訪れを感じるとともに、生きる術を学ぶ良い機会となった。(丸)