
江戸時代、大地震の津波から地域住民を守ったみなべ町の南部湾にある鹿島で3日、明神祭が行われ、感謝の気持ちを込めて巫女の舞が奉納された。
神事は鹿島にある本殿で行われ、船で渡った鹿島神社の亀井隆行宮司と総代、地元区関係者らのほか、一般住民も参加。中嶋渚さん(16)の司会進行で亀井宮司が祝詞を奏上、地元の高校生木田美々花さん(16)、山下小有紀さん(16)、深山紅愛さん(16)が優雅に豊栄の舞を披露した。参列者は玉串を奉典して地域の安全などを祈願した。
島内の浜辺では、昨年に続いて宝探しが行われ、多くの親子連れで大にぎわい。上富田町から家族で参加した宮本亮太朗君(7)は「宝が見つかってうれしかった」と笑顔で話していた。
言い伝えによると、江戸時代の1707年の宝永の大地震と1854年の安政の大地震で発生した大津波の際、鹿島が自然の防波堤となって住民被害を抑えたという。