
県が津波対策として由良湾で進めている由良港防波堤整備事業は、現在、北側防波堤の設置が進められている。由良湾口の南北に防波堤を設置し、東海・東南海・南海の3連動地震の津波深を1㍍低減させる効果が見込まれる。9年前から着工し、南側はすでに完成。今年度も引き続き北側の設置作業を進め、全体完成は2028年度を目標にしている。
事業は、由良湾口に位置する蟻島の東約1㌔周辺で、南側は日高町柏の「ムロノキ鼻」と呼ばれる海岸付近に位置し、北側は神谷の株式会社駒井ハルテック和歌山工場付近にあたる。南側防波堤は延長100㍍、海底からの高さ約20㍍、地盤高(標高ゼロ)からは5・5㍍。北側は延長350㍍で、海底からの高さは同様に約20㍍、地盤高からは6・5㍍となっている。
町の要望を受け、県が12年度に事業化。15年度までに設計・調査を行い、16年度から南側で着工した。工事は、海面に基礎捨石を敷き、高さ約11㍍、幅約8㍍、長さ約15㍍などの鉄筋コンクリート製ケーソンや消波ブロックを設置。南側は20年度に完成した。その後、北側の工事に着手し、24年度末までに延長約100㍍分のケーソンを設置しており、今年度は約60㍍分の設置を目指す。
完成時期は当初24年度を予定していたが、資材費や労務費などの高騰により遅延が生じており、総事業費も当初の67億円から増加する見通しとなっている。
防波堤が完成すれば、3連動地震による津波の浸水深が約1㍍低減する見込みで、阿戸、網代、吹井など、浸水深が3㍍以上となるエリアは、約22㌶から6㌶まで大幅に縮小する効果が期待されている。
南北2カ所の防波堤の間は約450㍍の間隔があり、大型船舶の航行にも配慮し、安全性が確保されている。

