県は18日、今月6日から14日にかけて数回降ったひょうによる県内農産物の被害額が、47億2820万7000円に上ったと発表した。少なくとも過去10年で最大。引き続き調査が行われており、被害額は今後さらに増える可能性がある。
最も被害が大きかったのは梅で、実が傷ついたり、枝から落とされ、みなべ、印南、日高川、田辺、白浜、上富田、すさみ、串本の8市町合わせて47億1241万2000円。被害面積は4231㌶と広範囲で、うち日本一の産地みなべ町はすべての園地となる2120㌶で被害が確認されている。ほかはこれから収穫期の実エンドウが12㌶、1143万3000円、ハウス施設も16件、436万2000円の被害があった。
和歌山県が誇るブランドの南高梅は昨年、受精不良とひょう等で過去最悪の凶作だった。今年も着果が例年より少なく心配されていた中、追い打ちをかけるひょうで甚大な被害。2年連続の大凶作となるのは必至との見方が大半で、農家からは「生産者だけでなく、加工業者にも大きな影響が出るだろう。産地を守るため、国や県の支援が不可欠だ」との声が聞かれている。