日高地方7市町が共同で開設している日高地域消費生活相談窓口の2024年度相談実績がまとまった。相談件数は286件で、過去最多だった前年度から61件増。不審な電話やメールによる架空請求の相談が最も多く、近年、県内でも多発する特殊詐欺への不安や警戒を反映する形となった。

 相談件数の市町別内訳は御坊市133件、美浜町31件、日高町19件、由良町13件、印南町15件、みなべ町33件、日高川町31件、他市町・無回答11件。相談方法は電話196件、来訪90件。相談者の年齢は無回答・不明を除けば70歳以上が71人で最も多く、次いで60代の51人、50代の35人などとなっており、高齢者が多い。

 相談内容で一番多いのが不審なメール、架空請求メール、注文した覚えのない荷物が届いたなど75件。初回低価格でその後高額な2回目が届いたという食料品関係は27件。ほか太陽光パネル、屋根、外壁、床下の点検や工事、化粧品の定期購入、オンラインゲームの課金やセミナーなど。

 支払った現金などが相談により戻ってきたという救済件数は54件あり、救済金額は計479万3666円。窓口を開設した17年度からの救済金額累計は4000万円近くにも上る。24年度で救済金額が最も大きかった事例はオンラインゲームの課金124万8800円。未成年がオンラインゲームで高額課金し、保護者が未成年取り消し申請をしたが認められず、窓口に相談したところ、今回に限り全額が返金された。

 同相談窓口は市役所2階に設置、専門相談員2人が対応。「消費者トラブルに巻き込まれた時は一人で悩まず、相談する場所があることを知っていただきたい。相談無料、秘密厳守。少しでも変だと思ったらご相談を」と呼びかけている。

 電話相談は℡0738=5288。月1回、各町での巡回相談も行っている。