
日高広域消防は5月から、急病やけがで119番するかどうか迷ったとき、電話で相談できる救急
安心センター事業「#(シャープ)7119」の運用を開始する。来年4月からの消防指令業務共同運用に向けて準備を進めるなか、田辺市消防本部が行っている事業に加入。救急車の適正利用や潜在的な重症者の発見による郡内住民らの救命率アップが期待されている。
#7119は、住民が急な病気やけがをしたとき、「救急車を呼んだ方がいいか」「今すぐ病院に行った方がいいか」など迷った際の相談窓口として、専門家から電話でアドバイスを受けられる仕組み。寄せられた相談は医師や看護師が電話口で傷病者の状態を聞き取り、症状の緊急性や病院受診の必要性等を判断。迅速な救急出動につなげたり、受診可能な医療機関や受診のタイミングをアドバイスしたりする。「体調が悪いけど、どこの病院に行ったらいいか」といった相談に対しても、受診可能な医療機関を紹介。原則24時間365日体制で対応する。
救急車の適時・適切な利用、救急医療機関受診の適正化、住民への安心安全の提供、時代の変化への的確な対応、新型コロナ感染症対策が目的。救急車の適時・適切な利用では軽症者の割合の減少効果、不急の救急出動の抑制効果のほか、前兆症状をキャッチすることで、潜在的な重症者の発見、救護が期待される。
#7119は2007年に東京消防庁が開始。昨年11月現在で都道府県内全域31、一部5の全国36地域で実施されており、エリア人口は9855万人、人口カバー率は78・1%となっている。県内では17年に田辺市消防本部が開始。管轄する田辺と上富田の2市町で実施されており、5月1日から日高郡の6町が加わる。利用は固定電話や携帯電話から「#7119」に電話。自動音声に従い、相談する。
日高広域消防は導入に合わせ、管轄する日高郡内の各家庭に広報シールを配布。年間約1000件の利用を見込んでおり、「住民の皆さんを守る必需システム。迷ったら『#7119』、緊急性が高いと思ったら、ためらわず119番通報してください。つながらない場合は消防(℡0738—63—1119)までご連絡ください」としている。