



13日の開幕まであと4日と迫った9日、万博会場で報道関係者向けの内覧会「メディアデー」が開催され、約4500人が参加した。これまでは大屋根リングなど一部のみ公開だったが、万博の華といわれる海外パビリオンの一部内部も初めて公開され、全体像が明らかになった。空飛ぶクルマの無人飛行のデモンストレーション、火星の石や月の石、ガンダムの展示など見どころたっぷりで、胸躍る夢の体験や展示が用意されている。
会場西側の専用ポートでは、スカイドライブ(愛知県豊田市)が運航・展示する空飛ぶクルマを公開。マルチコプターと呼ばれる軽量の機体で3人が搭乗できる。試験飛行では垂直に約5㍍浮かび上がり、約4分間飛行した。空飛ぶクルマは当初、会場の内外を結ぶ来場者の移動手段として使われる予定だったが、期間中は客を乗せないデモ飛行を行う。日本航空は、自社パビリオンでリアルな映像と音響、振動を駆使し、空飛ぶクルマに乗って大阪上空を散策できる体験を公開した。今回の万博では映像、音響、振動を使ったアトラクションのように楽しめる演出も多く、日本のシグネチャーゾーンのパビリオンでも体験できる。
海外パビリオンは外観もユニークでオリジナリティーあふれるデザインがいっぱいで、見ているだけでも楽しめる。韓国は外壁に超大型スクリーンで映像を流し、サウジアラビア館では民族衣装のスタッフが来場者をもてなしていた。アメリカ館では1970年の大阪万博で人気を集めた「月の石」を再び公開。中国館では、この日は見られなかったが、「月の裏側の土壌」を公開すると発表している。ドイツ館では現地料理やビールを楽しめるレストランも公開され、人気となっていた。
国内パビリオンも見どころたっぷり。アメリカの月の石とは別に、日本政府が出展する日本館では、世界最大級の「火星の石」が設置され、来場者は石の「かけら」に直接触れることもできるよう工夫している。バンダイナムコホールディングスはパビリオン入り口に高さ約17㍍、総重量約49㌧の〝実物大〟のガンダム像を設置。来場者はガンダムシリーズの作品で描かれた宇宙での暮らしや新たな科学技術といった近未来の世界を新作映像などで体験できる。モビルスーツが人類と共生する新たな姿が描かれた映像もある。和歌山館では13日のオープニングイベント用に和歌祭の神輿も展示されており、外国人に人気となりそう。
夜には、海側のウォータープラザで水と光、音楽の演出で楽しませる水上ショー、続いてドローンが発光でさまざまな姿を夜空に映し出すショーも披露され、感動を与えていた。