
13日の開幕までいよいよ4日と迫り、大きな話題となっている大阪・関西万博。世界158カ国・地域が参加し、海外パビリオンも多数建設され、普段触れる機会の少ない国の文化や歴史を知る機会にもなる。アラビア半島の国、オマーン館内のカフェでは、印南町印南出身の田中次男さん(73)が経営する大阪府茨木市のパン工房「シャルドン」が、オマーンの特産を使った焼き菓子を提供することになった。
田中さんは印南小、印南中出身で、日高高校を卒業後、大阪のパン職人だったおじのもとで修業。29歳で独立して茨木で開業した。いまでは人気店となっており、カフェも併設している。
オマーンは中東・西アジアのアラビア半島東端に位置し、香り豊かなオマーンコーヒーが有名。万博ではオマーン館のカフェでオマーンコーヒーが提供される。同館関係者がオマーンコーヒーに合う焼き菓子を出したいと、一般に公募。同館のカフェに携わる日本人関係者に田中さんの顔見知りがいたこともあり、「応募してみよう」とシャルドンのスタッフが協力して新たな商品開発に取りかかった。オマーン特産の一つであるデーツ(ナツメヤシの実を乾燥させたドライフルーツ)を使い、クッキーやマドレーヌなどの焼き菓子10数種類を考案して応募したところ、採用されることになった。
シャルドンでも同じ商品を販売することにしている。田中さんは「とてもおいしい自慢の焼き菓子が出来上がりました」と胸を張り、「私も今までオマーンのことはよく知りませんでしたが、親日の国で、万博をきかっけに多くの人にオマーンの魅力に触れてもらえるとうれしい」と話している。