
今夏の参議院議員選挙和歌山選挙区に、前有田市長の望月良男氏(52)が3日、無所属で立候補する意向を表明した。自民党県連拡大役員会での公認候補を選ぶ投票で二階伸康氏(46)に敗れ、「党候補の勝利に尽力する」との趣旨の誓約書に署名していたが、「志が勝った」と出馬を決断。昨秋の衆院選和歌山2区に続いて保守分裂の激しい選挙戦となる。
望月氏は、和歌山市のホテルグランヴィア和歌山で会見し、「国や県の政治、行政の現状、県が持つポテンシャルを鑑みたとき、市長の経験を生かせると考えた。市長として16年間、創意工夫と情熱と努力でさまざまなことを達成してきたことを生かし、次は国や県のために命を燃やしたい。公職に身を置いて捧げていく生き方を選んだ。産業界とともに活力あふれる国、和歌山県になる一翼を担えるという志、そっちの論理が勝った」と決断の経緯を説明。市長としての16年間の経験と実績を生かし、経済の活性化や地域医療の充実、成長産業の誘致に取り組むとした。
望月氏は有田市出身で、箕島高校を卒業し、有田市消防本部の職員や有田市議会議員を経て2008年の有田市長選挙で初当選。4期16年務め、自民党派閥の政治資金問題を受けて離党、昨秋の衆院選で参議院からくら替え出馬して当選した世耕弘成氏を応援、近いとされている。
誓約書を覆しての出馬については「自民党を割ってしまう懸念があるのは事実で胸が痛い思いはある。熟慮に熟慮を重ねたが、最終的には心に火がついた」と強調。「はじめは二階氏が参院選に回り、県連で投票になるとは思っていなかった」とも語った。
世耕氏について「政策や理念が一番近い政治家」としながら、選挙戦に向けては「いろいろ相談させていただいている」と述べるにとどめ、「手作りの選挙。同志の皆さんと一緒に戦っていく」と力を込めた。
和歌山選挙区には参政党新人の林元政子氏(51)、立憲民主党新人の村上賀厚氏(65)、無所属新人の末吉亜矢氏(54)も立候補を表明している。