今の自動車学校は学科を自宅などで、スマホで受けるのだという。居眠りなど目を離したらNG判定され、もう一度受講しなければならず、教室にいる時と同様に気を抜けないらしい。50代の筆者には、なんとも時代やなという言葉しか出てこないが、本来なら高校卒業前後のこの時期は学生で混雑しているが、教習所には車の運転実技をしにいくだけ。効率的で利便性も高く、インフルエンザなどの感染リスクも少なくなりメリットは大きい。デジタル化の有効な使い方だと感心した。
役場の窓口への申請が必要だった住民票や印鑑証明の発行も、マイナンバーカードを使ってコンビニでできるようになっている自治体がほとんど。役場は一般サラリーマンが仕事をしている時間に開庁しているので、誰が取りに行けるのという声は多かった。住民票一つ取得するのに半日休みを取らなければならないという人もいただろう。利便性は上がっているが、まだ窓口にいかなければ取得できない証明書もあり、デジタル化もまだまだ道半ば。もっと利便性を向上させる取り組みを進めていく必要がある。
とはいえ、少子高齢化の日本では、デジタルは苦手という年配の人も多い。万博チケットが買いづらいという声が出るのもうなずける。高速道路のインターチェンジがETC専用のみとなり、まだつけていないから別の料金所から乗らないといけないという声も聞こえてきた。利便性を高めることは当然必要だが、取り残される人がいては元も子もない。
アナログからデジタルへの転換期だからこそ、きめ細かい、人に優しい取り組みやサポートが、とくに行政には求められている。(片)