地域密着型の地方新聞社で働く一記者として、日高地方で活動する人々の活躍を取りこぼさずに取材できるよう心がけたい。
昨年11月から日高振興局管内で教育旅行を中心に体験型観光を推進している地域おこし協力隊の田口稔さん(46)が先日、岸本周平知事との意見交換会に参加した。県内の各地域で活動している協力隊員6人と岸本知事、県職員が集い、各隊員が自身の取り組みや課題について報告。田口さんは現地活動で発見した日高地方の魅力と可能性を話し、日本文化や地元の文化を活用した体験型観光の充実を新たに提案した。「地域おこし協力隊として行政と地域をつなぐ接着材の役割を果たしたい」と決意を新たにし、紀州体験交流ゆめ倶楽部と連携して活動の幅を広げていることから「同クラブを生かして世代や国境を越えて居心地の良い、優しさ溢れる繋がり作りをしていきたい」と展望を語った。
意見交換会について田口さんに取材する中で「地域おこし協力隊の立場が不透明」という他隊員から出た地元民の声が気にかかった。昨年11月から各振興局で地域おこし協力隊の活動が始まったばかり。そのため、地域によっては同隊員の取り組みに馴染みがない人もいるという。田口さんと言葉を交わすうちに「都会から和歌山県に移住し、個性豊かで活気ある地域づくりの推進に尽力している彼らの活動をぜひみんなに知ってほしい。地域の人と手を取り合って地域がもっと元気になれば」と願う一方で、駆け出しの記者として「地域と住民を新聞でつなぎたい。もっと地域に関心を持ってもらえるような記事を書きたい」と心の中でグッと拳を握った。(丸)