先日、由良町で小中高生15人が議員となり、町政について意見を述べる「少年議会」が役場の議場で開かれた。これまで町議との意見交換や県外視察を重ね、町への提言を考えてきた。少年議会は実際の議場を使用し、少年議員が順番に一般質問を行い、町長らが答弁する形で進められた。

 質問内容は、若者の居場所づくりに関するものが多く、球技コートの整備や、使われなくなった校舎の活用などが提案された。町の活性化策として、釣り大会の実施や水族館の整備、お化け屋敷企画、通学路の街灯設置、紀伊由良駅前再整備への意見、体育館へのエアコン設置など、多岐にわたる提案が出された。

 いずれの提案も町の実情を考慮し、他自治体の取り組みを参考にした現実的なものであり、町長らも真摯に対応。実現が難しいものについてはその理由を説明し、検討の余地があるものは今後の課題とする考えを示した。

 今回が初めての少年議会で、筆者自身も取材は初めてだったが、想像以上にしっかりとした議論が交わされた。子どもたちは日々の生活や視察で得た知見を活かし、町の課題を真剣に考えていた。こうした取り組みは、子どもたちに政治や地域社会への関心を持たせる貴重な機会となる。「自分たちの声が町を変えるかもしれない」という実感が、次世代を担う人材の育成につながることだろう。

 全国的に地方議会のなり手不足が問題視される中、町の未来を真剣に考える若者の存在は、地域社会にとって大きな希望となる。少年議会が今後も継続され、町政への関心が高まることで、将来的には町を支える新たなリーダーが育つきっかけとなることを期待したい。      (城)