導入した防災用トイレトラック、外観には南高梅やマスコットキャラもあしらった

 みなべ町は31日、県内で初めてとなる防災用トイレトラック1台を導入した。購入先の一般社団法人助けあいジャパン(本社=静岡県)が構築している「災害派遣トイレネットワーク」に参入し、自分たちの地域だけでなく、全国で災害が発生した場合は要請に応じて派遣し、被災地支援にも活用していく。

 導入したトラックは荷台部分がトイレになっている。洋式便座タイプの水洗トイレが5基あり、それぞれが独立した部屋になっており、外から階段を上がって使用する。うち1基は多機能トイレで部屋も広くなっており、オストメイトやおむつ交換台が整備されているほかリフトもあり、車いすのままでも利用できる。汚物タンクは約1000㍑の容量で約1000人分の利用が可能。車体には南高梅やマスコットキャラのウーちゃんとプララのイラストもあしらっている。この日は町職員や町議らも見学した。

 助けあいジャパンの災害派遣トイレネットワークは、トイレトラックを導入している全国31自治体が加入(2026年度末には50を超える見通し)。昨年発生した能登半島地震や能登豪雨災害では、ネットワークを活用して最大22台のトイレトラックを派遣した。トイレトラックを運用するためには満タンになった汚物のくみ取りと、流すための水の補給が絶対条件となるが、災害派遣した場合は助けあいジャパンが給水車とくみ取り車を補給チームとして同行するため、満タンになって使用できない事態にはならないのが特徴。

 みなべ町もネットワークに参入することで、支援が必要になった地域に派遣したり、南海地震等で被災した場合は参入している自治体からの支援を受けられる。普段は愛之園こども園横の防災備蓄倉庫で保管し、イベントなどに積極的に出動して使い慣れてもらうことにしている。町では「トイレトラックを普段から活用することで、災害時のトイレ問題を考えてもらうきっかけにしたい。各家庭でトイレ備蓄も進めていきたい」と話している。