

4月から開かれる大阪・関西万博での書道イベント「未来へつなぐ日本の書~空・海・時を超えて~」で、「日本の代表作家展」に日高町小中の書家弓場龍溪さん(78)の作品が出展される。万博会場となる大阪・夢洲の古い呼び名「難波潟(なにわがた)」「難波江(なにわえ)」の詠み込まれた和歌を書いた作品。弓場さんは「光栄なこと。書道文化の伝統が受け継がれることと、世界の平和を祈念して書いた」と話している。
「未来へつなぐ日本の書」は同書芸院と読売新聞社が主催し、5月7日から11日までEⅩPОメッセ「WASSE」で開催。「オールジャパンの書が世界のSHОDОに」をテーマとする。イベントの中心となるのが「日本の代表作家展―いのち輝く未来を『書』で描く―」。主催者の公益社団法人日本書芸院の依頼を受け、現代日本を代表する書家が作品を出展する。
弓場さんは新古今和歌集から源具親の「難波がたかすまぬ波も霞みけりうつるも曇るおぼろ月夜に」、順徳院の「難波江のしほひのかたや霞むらん蘆(あし)まにとほきあまの釣舟」を揮毫。紙は、日展会員で和歌山大学教授の故大岡皓崖氏(由良町大引)が所蔵しており、息子の皓さんから譲り受けた青海波(せいがいは)模様の古く珍しいものを使った。青海波は「未来永劫平穏な生活が続くように災厄を水に流し清める」という意味を持つ、厄除けの模様。弓場さんは「『オールジャパン』の末席として展示できることは光栄。大岡先生が所蔵されていた貴重な紙をこの機会に使うことができて、うれしく思います」と話している。
全日本小中学生紙上書道展ベスト100の選抜展示も行い、平井蘭さん(松原小3年)の作品も出展(既報)。