

正月三が日は日高地方の各神社も多くの参拝客でにぎわった。御坊市の小竹八幡神社は元日から初詣客が後を絶たず、みなべ町の須賀神社は2日に勇壮な馬駆け、日高川町の下阿田木神社では3日に伝統のお弓神事もあった。不安定な国際情勢、国内での物価高騰など厳しい状況が続く中、参拝者は巳年のスタートに新たな希望を抱き、健康や平穏無事を願っていた。
小竹八幡神社(小竹伸和宮司)では参拝客が列をつくり、ヘビが描かれた大絵馬をバックに記念撮影する家族や、おみくじの「大吉」に喜ぶ姿もみられた。家族9人で参拝した薗の大堀眞人さん(77)は「みんなが健康でありますように。孫の大学受験合格も祈願しました」。母と一緒に訪れた高槻市の六車優月さん(9)は「気になっている男の子がいるので、今年は恋愛がうまくいくとうれしいです」と笑顔。中には大声で「世界からミサイルがなくなって平和になりますように」と願う参拝者もいた。
須賀神社(前芝弘知宮司)は数年前から、新春を祝う初馬駆けを実施。神社近くの田上雅春さんが会主を務める畿南馬事文化保存会が所有する馬3頭が約300㍍の馬場を1頭ずつ疾走。多くの見物人から「頑張れー」の声援が飛び、競走馬さながらに力強く駆ける馬に拍手と歓声が上がった。同保存会と馬駆けを共催する同神社やぶさめ会の木下格一会長は、「今年一年ウマくいきますようにとの願いを込めています」と話した。
下阿田木神社(西川秀人宮司)の矢を射て厄を祓うお弓神事は新春の恒例。川原河、阿田木、皆瀬、打尾、越方、中津(平岩・原日浦・姉子)の6地区から選出された14人の氏子が白装束に身を包んで約20㍍先に立てられた約2㍍四方の的や30㍍ほど先に設置された直径約30㌢の小さな的を狙って矢を放った。勇ましく弓を引く姿に、アマチュアカメラマンが盛んにシャッターを切り、見事、的を射抜くと、見物人から拍手が上がっていた。