
師走も押し迫り、日高地方の官公庁で27日、1年を締めくくる仕事納め式が行われた。今年9月の選挙で初当選したみなべ町の山本秀平町長は初めての訓示。就任からの3カ月を振り返り、みなべ町には魅力と可能性がたくさんあることをあらためて感じたとし、新しい1年に向けて住民、企業、行政が一体となって新しい風を吹かせる決意を示した。
職員を前に山本町長は就任からの3カ月間の中で落ち込んだ日もあったが、「職員の皆さんの支えで町長の職を務めることができた」と感謝。見えてきた課題の一つとして、職員の労働環境の改善の必要性を訴え、まちづくりでやりたいことを進めていくためにも、まずは職員の余裕をつくることに取り組む考えを示した。
来年は職員一人ひとりと対話の時間をつくり、組織の現状を知って課題を見つけ、解決のための意思決定をしていくとし、「意見や不満も、それは変わるためのエネルギーなので、ためるのではなく伝えてほしい。意見を言いやすい組織づくりにも取り組む」とした。
この3カ月で多くの大手民間企業とのつながりができたことも紹介し、「まちづくりの主役は住民だが、可能性を生かしていくのは行政の役割。人口減少が進んでいるが、人を増やすことを目的にするのではなく、まちの魅力を高めることで結果的に人が集まるまちづくりをしていきたい」と述べ、町民、企業、行政が一体となって魅力あるまちをつくっていくことを強調した。
当選後、デザイナーのコシノジュンコさんからプレゼントされた「風」と書かれた色紙を披露し、「新しい風を吹かせてほしいという言葉をいただいた。住民の皆さんから私に期待をかけられている一文字だと思っている。まだ吹かせられていないが、来年以降、吹かせていきたい。どんな風で、いつ吹かせるのか、皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と力を込めた。