デビュー作となる 「あおくんふくちゃん」を手にする宮本さん(御坊市役所で)

 御坊市に縁がある有田市のイラストレーター・絵本作家のみやもとかずあき(本名・宮本和明)さん(60)が制作し、講談社の第44回絵本新人賞を受賞した創作絵本「あおくんふくちゃん」が今月12日、同社から出版された。絵本作家を目指して30年、念願かなって還暦でのデビュー。年明けには御坊市内の保育所、幼稚園、図書館に絵本の寄贈も予定されている。

 宮本さんは本業の子ども服店を営む傍ら、趣味でイラストや絵本の制作を行っており、講談社の専門学校などでも技術を習得。これまで数々の賞を受賞し、絵本やポスター制作を通じた地域貢献が評価されて21年度有田市文化賞も受けているが、なかなかデビューには至らなかった。

 講談社の絵本新人賞はアマチュアの作家がプロを目指す最難関の登竜門とされており、多くの人気作家を輩出。今回は406作品の応募があり、新人賞(大賞)1点が選ばれた。これまで新人賞該当なしの回もあり、過去の受賞者は計38人。初応募の宮本さんが過去最高齢の受賞者となった。作品は未発表作である赤鬼と青鬼のストーリーから、青鬼を主人公にしたスピンオフ。独特のタッチで描かれたお人よしの鬼の「あおくん」と福の神の「ふくちゃん」が登場し、テンポのよい掛け合いが漫才コンビのように楽しい、新感覚の節分絵本となっている。表紙と裏表紙の見返しには全8話の四コマ漫画も掲載。
 宮本さんは「読む人の心に火を灯すような絵本作りに取り組んでおり、夢をあきらめずに続けていたらうれしいことがおこるものです。作品に登場する福の神が私にとって本当の福の神になりました。この作品が読者の福の神になれたらこんな素敵なことはありません。御坊市の子どもたちにもぜひ読んでいただきたいですね」と笑顔。義弟に当たる橋谷佳孝さん(62)=御坊市島・市役所職員=は「せっかくの機会なので、いろんな人に読んでいただきたい」と、絵本を購入して宮本さんのサイン入りで市内の保育所や幼稚園、図書館に寄贈することにしている。