カイロスの打ち上げが2日連続で延期となった。公式見学場となっている那智勝浦町の旧浦神小学校では2日間とも雲がほとんどない晴天で、14日は時々風が吹いており、15日はそれよりも風が強く感じたので、悪い予感はしていたが、やっぱりダメだった。毎回、緊張感を持って取材している身としてもショックは大きい。

 ロケット発射には莫大な金を集めて建造すること自体が難しく、資金が集まってもコロナ禍で部品調達ができないなど、多くの困難を乗り越えてスペースワンではいよいよ打ち上げの段階まで来ている。しかし、警戒海域に船舶の侵入、1号機発射直後の爆発などで延期、失敗し、まだ見学場からロケットの先端すら見えたことはない。そして今回は風が原因での延期。さまざまなハードルを乗り越えてなおかつ、予想が難しい自然を相手にしなければならない。本当にロケットは繊細なものなのだと感じる。

 ロケットの打ち上げには多くの人がやって来て経済効果も期待できるというが、このように延期が重なるようでは観光面での活用は難しいのではないかと思う。ところが、よく知られる種子島でのロケット打ち上げツアーは遠いため、数泊の日程が組まれている。それに比べ和歌山の打ち上げは大阪方面なら日帰りも可能。今回のように順延なら急きょ宿泊というハプニングもあるが、種子島より気軽に見に来られるという点が強みだろう。

 現場でたくさんの人に話を聞いたが、相次ぐ延期にも腹を立てたりする人はなく、ほとんどが「残念だけど、次に期待する。また見に来たい」と話していた。ネバーギブアップ、何とかこの思い、願いが通じてほしい。 (吉)