
由良町人権講演会(町人権尊重推進委員会主催)が30日、中央公民館で開かれ、いのちの講演家として活動している岩崎順子さん(海南市)が戦争を通じて人権の大切さを訴えた。
岩崎さんは義理の父が沖縄戦を経験しており、「自決しようとしたが、手榴弾で肉片が飛び散る様子に皆が怖くなり降伏した」「そのために、地元に帰ってからは戦争で息子を亡くした近所の人から非国民扱いされ、母や弟まで石を投げられ、沖縄より辛かった」という義父の話を紹介。特攻出撃2時間前に子犬を見つけ笑顔で写真に収まる若者の姿、亡くなった幼児の弟を背負って火葬場に並ぶ10歳の少年など戦争の悲惨な場面を写した写真を示し、「私たちは殺し合うために生まれてきたのでなく、戦争は最大の人権侵害。人権は遠くにあるのでなく、皆さんの心の中にあります。辛いことがあっても周りの人がいるから前に進むことができる。だからまず家族や近所の人と仲良くし、困っている人を助けることが大切。一人ひとりが意識を変えることで戦争をなくすことができる」と話した。