県の2024年度農林水産業賞の受賞者が決まった。県内から15人と1団体が受賞。うち日高地方からは農業部門で元日高川町農業委員会会長の龍田雅人氏(65)=船津=、元みなべ町農業振興協議会副会長の二葉美智子氏(65)=東本庄=、元美浜町農業委員会副会長の吉田敬氏(76)=和田=、林業部門で印南町の真妻わさび生産者の平井満氏(82)=川又=の計4人。表彰式は12月2日、県庁で行われる。

 龍田氏は1984年から現在までイチゴの優良な親株生産に取り組み、イチゴ生産の基盤を長期に支えるとともに県育成品種「まりひめ」の普及と生産拡大に寄与。農業委員会や農業振興協議会の役員を歴任、農業士として38年間活躍し、地域農業のリーダーとして後継者育成や地域農業の振興に貢献した。

 二葉さんは女性農業者が活躍できる場を創出するため「受領梅遊びグループ」を結成し、奥みなべ梅林を開園。バスツアーの受け入れやランチ提供など、梅林を核とした産地活性化に大きく寄与した。みなべ町農業振興協議会副会長の時には加工品づくりセミナー開催など、6次産業化の推進にも尽力し、地域農業の発展に尽力した。

 吉田さんは地域の担い手が不足する中、水稲の直播き栽培を導入し、労働力軽減に率先して取り組んだ。農作物や農業用施設への塩害を未然に防ぐため、農業用樋門の開閉操作を20年以上行うとともに、農業委員会や土地改良区の要職を担うなど、地域のリーダーとして農業基盤の維持、発展に多大に貢献している。 

 平井さんは真妻わさび発祥の地で唯一の生産者となる中、40年余りの長きにわたりわさび生産に尽力し、栽培技術を伝承。最高品質の真妻種を生産すべく、地域で初めて畳石式わさび田を構築し、わさびの品質及び生産性の向上に寄与するなど、真妻わさび生産地の発展に大きく役立った。