2年前、由良町にある標高262㍍の重山(かさねやま)に登ったことがある。吹井の糸谷地区からスタートし、山道が整備されていない区間もあったが、50分ほどかけて無事に山頂まで登ることができた。途中、きれいな由良湾を一望できる場所があったし、頂上付近には古びた建物跡もあり、思いがけない発見もあった。山頂にたどり着いたときには達成感と爽快感は何にも代えがたい。
コロナをきっかけに感染リスクが低いアウトドアがブームとなり、近年は身近に登れる低山登山が人気だという。日頃の運動不足が解消されるほか、普段の日常生活では見ることができない景色を楽しめる。身近な自然を見直し、その魅力を再発見することもある。
日高川町観光協会は先日、2日間にわたり町内の三国山(標高200㍍)、同町と印南町にまたがる真妻山(同523㍍)に登る低山トラベルツアーを実施し、大阪、兵庫、東京などから30~60代の7人が山登りを楽しんだ。アウトドア観光での誘客などにつなげ、周辺観光施設への周遊を促進しようと初めての試み。三国山ルートの途中では、ガマガエルに似ている石の「ゴトビキ岩」、米が3石ほど乗るような「三石岩」などの名所も。真妻山ルートでは「涼みの滝」などに立ち寄り、頂上で弁当を食べながら日高平野が一望できる眺めを楽しんだ。参加者からは「今後は友人を誘って来たい」という声が聞かれた。
低山登山は、手軽に自然と触れ合い、リフレッシュできる。季節ごとの風景を楽しみながら無理なく登れ、心身ともにリフレッシュできる。休日には紅葉を楽しみながら近くの低山に足を運んでみてはいかがだろう。(雄)