先日、例年11月に暖房器具の事故が急増するとして、製品評価技術基盤機構(NITE)が、本格的な冬の到来を前に器具の点検を呼びかけているという記事を読んだ。電気コードの破損や昨シーズンの灯油が入ったままになっていないかを確認し、重大事故の未然防止を訴えていた。

 記事によると、NITEが昨年までの5年間に通知のあった暖房器具の事故582件を分析したところ、月別では11月に急増し、12月にピークになって以降、翌年4月まで多い状態が継続。石油と電気の暖房器具が全体の8割以上を占めた。5年間の火災発生件数は石油暖房器具が276件で56人が死亡するなど人的被害が多い。原因で最も多いのは給油口から漏れた灯油への引火。ガソリンの誤給油や可燃物の接触が続く。一方、電気暖房器具は182件で家財を燃やすなど物的被害が目立つ。原因はリコール対象製品の事故が最多で断線による発火なども多い。

 NITEは石油暖房器具について空気取り込み口にほこりがたまると、炎が逆流する恐れがあるため掃除を勧めているほか、劣化した古い灯油の処分、地震時の自動消火装置の点検など、電気暖房器具ではリコール情報の確認に加え、電気コードやプラグの破損の有無、転倒時に電源がオフになる安全装置の点検を求めている。消費電力が大きいため、延長コードやたこ足配線にも注意が必要。昨年問題がなかったから大丈夫という思い込みは事故の元で、シーズン初めや日々の点検で冬を安全に過ごしてほしい。

 9日から15日までは秋の火災予防運動。今年10月末までで御坊市内で9件、日高郡6町内で24件の火事が起きている。暖房器具だけでなく防火の心得を再確認しよう。(笑)