スポーツの秋真っ盛り。この時期は本当にスポーツの取材が目白押しだ。文化の日前後の連休中には、駅伝シーズンの到来を告げる県高校駅伝、春の高校バレーの愛称で知られる全国高校バレー県予選の決勝の取材があった。とくに高校バレーは男女とも激アツの試合展開で、取材を忘れて両チームのプレーに目を奪われた。

 男子は開智―和歌山北。30年連続30回目の全国出場というプレッシャーのかかる開智、和歌山北は絶対的エースを中心に過去最強の呼び声高い実力で、当初の予想通り大接戦となった。10年以上、春高と総体バレーの決勝戦を取材しているが、開智がセットを取られたのを見たのは初めてだった。第4セットもデュースにもつれ、まさに手に汗握る戦いだった。

 女子も男子以上の大接戦だった。開智―和歌山信愛という例年通りの2強の戦い。第1セットからどちらが勝ってもおかしくない一進一退の攻防は、第三者の筆者が見ていても息詰まるくらいの緊迫感があり、保護者の皆さんはその何十倍もハラハラした試合だっただろう。フルセットの戦いは本当に見ごたえがあった。

 男女とも勝ったチームの弾ける笑顔、あふれるうれし涙、負けたチームの悔し涙、一人ひとりの感情は違えど、筆者には全員が輝いて見えた。スポーツは見ている人に感動を与え、心を揺さぶる力がある。優勝した開智男女には日高地方の選手がレギュラーとして活躍したことも嬉しい。小中学生たちのよき目標となっただろう。

 高校サッカー、中学校駅伝など全国につながる大きな大会が控えている。感動のスポーツの秋はまだまだこれからも続く。(片)