実を付けたバナナの状態を確認する矢戸田さん

 真妻地域は寒冷地の特性を生かして育てられる千両やわさびが産地として有名。矢戸田さんも以前は千両を栽培していたが、近年の暖冬で生育がうまくいかず、熱帯・亜熱帯原産のバナナを育ててみたら面白いのではと考え、2019年から育て始めた。

 品種は耐寒性の強いミャンマーバナナ、豚足バナナ、ドワーフナムワバナナの3種類。真妻地域の冬の時期は最低気温がマイナス5度まで下がる日もあり、年数回の降雪や毎日の霜の影響で枯れてしまう株もあった。また、花が咲くタイミングにもばらつきがあり、今年は10月に入っても暑さが続いたため、今から花を咲かせる株もあるが、実が大きくなる前に冬が来るので収穫には至らないものも多いという。

 バナナにとって厳しい環境での栽培だが、越冬したものもあり、それを株分けしながら育てている。バナナ全体の耐寒性も年々上がっているといい、現在は500株1000本にまで増え、今年は7株に実が付いた。

 矢戸田さんの農園では、越冬したバナナの株分け苗を1本1万5000円で販売している。果実も数量が確保できれば、11月下旬に1本からの販売を予定している。詳しくは、矢戸田自然塾農園で検索を。