県が県内5つの病児保育施設でICT化に係る実証事業を実施することになり、11月1日からのサービス開始に向け、利用希望者の事前登録を受け付けている。民間のインターネットサイトを活用し、スマートフォンやパソコンから24時間いつでも空き状況の確認、予約、キャンセルができる仕組み。保護者の利便性向上や施設従業員の負担軽減につながると期待されている。

 県は課題解決型デジタル活用プロジェクトを推進しており、優れたデジタル技術やノウハウを持つ民間企業からデジタル活用の取り組みを公募。今回の実証事業では病児保育ネット予約サービス「あずかるこちゃん」を運営する株式会社グッドバトン(東京都中央区)と全国病児保育協議会和歌山県支部のグループが提案した事業を採択した。

 病児保育は子どもが病気の際、自宅での保育が困難な場合に病院や保育所に設けられた専用スペースで一時的に保育するサービスで、実施主体は市町村。実証事業は和歌山市の病児保育室ぴょんぴょんとせせらぎの病児保育、有田市の病児保育室きらりん、御坊市の病児・病後児保育室ひまわり(北出病院内)、田辺市の病児保育にじ色ひろばの5施設で実施。期間は来年2月末まで、一定の効果が認められる場合はあずかるこちゃんの利用を続け、広めていく。

 利用を希望する施設の事前登録はあずかるこちゃんのサイトから。こども未来課は「病児保育は子どもと保護者の心強い味方であり、ICT化により病児保育が利用しやすくなりますので、ぜひご活用を」と呼びかけている。