由良町の地域おこし協力隊の鈴木亮哉さんが、来年3月の任期終了後の取り組みとして戸津井地区で農家民宿の開業を目指している。現在クラウドファンディングで資金を募っており、開始してすぐに第1目標となる100万円を達成するなど注目度も高い。この100万円で営業開始の目処はついており、今後はウッドデッキやサウナなど施設の充実に向けた資金を呼びかけていく。
鈴木さんは愛知県出身の27歳。2022年から由良町の地域おこし協力隊として働くようになり、移住定住業務に取り組む傍ら、自身も町内の古民家に住むなどして町の魅力の発掘に努めている。これらの経験から町の魅力発信には観光だけでなく、滞在と体験が重要とし、農家民宿を始めることを決めた。27歳という若さで、また自身の生まれとは遠く離れた土地で、町おこしのために事業を起こす姿には脱帽させられる。
過去に担当した日高川町含め、これまで多くの地域おこし協力隊とふれあってきたが、年齢、性別問わず、皆一様にモチベーションが高い。便利な都市での生活をやめてまで、また中には有名大手IT企業勤めの方もいたが、そこまでの覚悟を決めるくらいなので、地方への思いはかなりのものなのだろう。
これまで関わった多くの隊員たちは、任期満了後もそれぞれの得意分野を生かし、地域に貢献している。隊員の取り組みは決して一人でできるものでなく地域との連携が不可欠で、そのことは鈴木さんのクラファンサイトの応援メッセージからも感じ取れる。隊員の行動は、地域を巻き込み活性化に向けた新たな活力となって動き出す。日高地方各地で活躍する協力隊の今後の活躍に期待したい。(城)