地域おこし、まちの活性化は20年ほど前からよくいわれている。地方創生が叫ばれるようになった今は特に、地域の魅力の再発見とブラッシュアップというキーワードをよく見聞きするが、学の浅い筆者は意味が分かるような分からないような、魅力をどう活性化につなげるのかが分からなかったのが正直な思い。それが先日、御坊日高博覧会の来年10周年プレイベントで開かれた勉強会で、講師の編集者で有限会社りす代表の藤本智士さんの講演を聞いて初めて「そういうことか!」と納得することができた。

 秋田県の木版画家・池田修三を秋田の誇りにしたいと、地元の人もほとんど知らなかった人物を掘り起こし、地道な活動で有名にした逸話は既報(本紙9月12日付)の通り。紙面では紹介できなかったが、同じ秋田県でイチジクという魅力を掘り起こし「秋になればにかほ市にイチジクを買いに来たくなるようにしたい」とオリジナルキャラクターを作ってPRを展開するなどして目標実現させた話も含め、地域の魅力を再発見することと、ブラッシュアップするとはこういうことだと感心させてもらった。

 藤本さんが人と違うのは、こうしたいと思ったことを人に任さず自分でやり遂げようと情熱を燃やせることだと勝手に感じた。何事も挑戦があって失敗があり、失敗があってこそ成功につながる。行動を起こさないと何も始まらない。藤本さんはマイボトルという言葉と取り組みを生み出し、日本中に広げた人。「こんな世の中になったらええのにな」が活動の原動力という。地元の人も、よその人も、行政も一緒に、本気になって取り組めば成せるものだと感じさせてもらった。(片)