熱中症・アナフィラキシーのシナリオで救急活動を展開する参加者(御坊市役所の会場)

 御坊市内で15日、医師と看護師、救急隊員らのチームが救命技術を競う第16回和歌山メディカルラリーが行われた。ひだか病院と日高広域消防の「チームHIDAKA」を含めて県内11チームが参加し、災害や急病、テロといった各種想定の現場で、実際と同じように活動を展開。処置の速さや正確性、適切さを競った。

 メディカルラリーは2002年、大阪の千里救急センターが日本で初めて開催。和歌山県からも有志が参加していたことから、05年に和歌山市で第1回が行われた。目的は医師、看護師と消防隊員らが一致協力し、さまざまな想定の災害現場で一連の活動を行うことで、現場から始まる救急医療に対応できる柔軟な技術、知識の習得、職種を超えた連携を図るとともに、医療機関と消防隊員の「顔の見える関係」を構築すること。実行委員会の主催で今回、日高地方で初めての開催となり、御坊市消防の職員らが運営に当たった。

 参加チームは、市役所、市民文化会館、中央公民館、福祉センター合わせて6つのステーションを回り、それぞれで設定された地震や子どもの心肺停止、熱中症・アナフィラキシー、爆破テロといったシナリオに対応。熱中症・アナフィラキシーでは、山登り中の父親から「子どもが動けなくなった」との救急要請に対し、救急隊が駆け付けて病院に搬送した。子どもの処置中、父親が突然倒れ、ストレッチャーに乗せた後、心肺停止状態に。実際の現場さながらの緊迫感の中、チームで連携、活動していた。