みなべ町議会議員の報酬が引き上げられることになった。全国的には自民党の政治資金規正法違反の問題で政治への不信感が募り、中小零細企業の労働者が低賃金であえぐ中、このタイミングでの報酬アップに違和感を覚える人も少なくないだろう。
みなべ町は旧南部町と旧南部川村が2004年10月に合併しており、給与体系を村議会の方に合わせたことで、近隣町などと比べても報酬が低いのが現状。また、合併前の町と村の議会定数はともに14だったが、2004年10月の合併時の新町議会では16に削減。08年10月の選挙から2減らして現行の14。さらに昨年5月の議会で2削減して12とする改正案が可決されており、次の任期(町議選は今月29日に投開票)から適用されることになっている。つまり旧町村の議員が合わせて24人だったのが、合併後3度の議員削減で半分にまで減る形。せっかく定数を減らして経費削減できるのに、報酬を増やすようでは意味がないと思える半面、合併後の広いまちで議員の数が減る中、それぞれの活動の幅を広げるために必要な措置なのかもしれない。
そして近年よく言われるのは地方議員のなり手不足だ。おととしの日高川町議会議員選挙は2期連続の無投票となり、昨年2月の日高町と由良町議選、3月の県議選日高郡選挙区も無投票だった。こういった背景には国民の政治離れがあるのは言うまでもないが、県議や市議ならまだしも、町議となるとなかなか議員一本で飯を食っていくのは大変という現状がある。みなべ町議会以外でも報酬が安いところがあり、今回の引き上げが、地方の議会制度に一石を投じるものと期待している。(吉)