地元内外の若者が和歌山にいながら自己実現し働ける仕組みを作ろうと、日高地方で暮らす2人の青年が企業と若者のマッチング事業を展開する一般社団法人「Kii―Lab(キイラボ)」を設立した。地元企業と関わり将来的に地元でキャリアを積むU・Iターン人材や、地元企業で働きながら個人のスキルを発揮できる副業人材等を生み出すことが目的。優秀な若者の県外流出を食い止め、和歌山に人が集まる基盤を作っていく。
キイラボを設立したのは、印南町の西山泰仙さん(26)と、昨年東京から美浜町に移住した岩永淳志さん(26)。西山さんは和歌山大学大学院卒業後、実家の瀧法寺=印南原=の跡継ぎとして修業する傍ら、AI支援事業を起業。現在は東京のトヨタ自動車関連会社のAI導入責任者を務め、和歌山と東京の2拠点生活を送っている。岩永さんは東京大学大学院在学中で、約5年前から美浜町三尾を拠点にまちづくりに関わり、昨年5月には三尾に移住。現在も日高地方でさまざまな事業を手がけている。
2人は共通の知人を介して知り合い、同い年ということもあり意気投合。互いの境遇を知り、「地域内外から仕事を見つけて働ける受け皿があれば、優秀な若者が地元にとどまり、UIターンもしやすくなるのでは」と考え、受け皿の役割を担う法人を設立した。
事業内容は「地域内の人材育成」と「地域外の仕事の獲得」の2つを軸に展開していく。地域内の人材育成では、地元の高校生らが地元企業の商品開発やマーケティングに取り組むことを通して、学生のうちから企業とつながり働き方のイメージを持てることで、将来的に地元企業で働ける環境を作る。地域外の仕事の獲得では、個人が依頼主から発注を受けて仕事をする「クライアントワーク」に着目。県内外の企業から仕事を受注する受け皿をつくり、地元企業で働く人材とマッチングさせ、副業がしやすい環境を作る。先月設立したばかりで、今は事業内容に賛同し、参画してくれる地元企業を探している。
2人は「夢を持つ若者が、地元にいながらもスキルアップや自己実現ができたり、思い通りの人生設計ができるように支援をしていきたい。若者が誇れる働き方をつくることで、和歌山にもっと人が集まってくれたら」と話している。
キイラボへの問い合わせは、メールcontact@kii-lab.jpまで。