現職小谷芳正氏死去に伴うみなべ町長選は、24日の告示まで2週間を切った。4月に立候補を表明した元町議の山本秀平氏(32)=晩稲=と、先月26日に立候補を表明した会社役員早川正志氏(72)=東吉田=の新人同士の一騎打ちが濃厚となっており、両陣営とも8日までに後援会事務所を開設。選挙戦に向けた前哨戦が本格化している。
山本陣営は、先月26日に後援会事務所を開設。今月1日に予定していた事務所開き式は台風の影響を考慮して中止となったが、連日、町内外から多くの人が事務所を訪れ、まちづくりの意見交換等を実施。毎朝の辻立ちも欠かさず行い、自身が重視している「住民との対話」を積み重ねている。
政策は、対話の中で「まちから子どもたちの遊ぶ声を聞くことが少なくなった」との意見も多く、若い世代が残りたいと思える取り組みに力を入れる。その基盤として、主要産業の梅では、生産性の高い農地の確保や農道整備などで効率化を図り、後継者不足の対策も積極的に行う。梅産業を軸に関係人口を増やしていき、若い世代の定住や、町内の商店街・飲食店等に人の流れを呼び込んで産業全体を活性化、町の利益向上につなげていきたい考えだ。
「先輩方が作り、守ってくれた〝豊かなみなべ〟を次の世代の子どもたちにつなげたい。しかし今のままでは課題が山積し、子どもも減少してしまう一方。若い人がこの先もみなべ町に住み続けたいと思ってもらえる政策をすぐにでも行っていきたい」と訴える。
早川陣営は、8日朝に事務所開き式を行い、約300人(主催者発表)が駆け付けた。後援会長の畑﨑周定氏は「早川氏は高いマネジメント能力がある。小谷町政を継承し、さらなるみなべ町の発展へ強い志で取り組んでくれる」とあいさつ。マイクを受け取った早川氏は「ミナベ化工で53年勤務し、会社の後継者も育っている中、町民の皆さんからみなべ町を何とかしてほしいという声を受け、出馬を決めた。長い間お世話になったまちのために働かせていただきたい。ご支援よろしくお願いいたします」と述べ、最後は全員でガンバローコールで締めた。
政策は、町民の「安全・安心・健康」を守るための取り組みに力を入れる。防災では沿岸部の堺地区に建設が計画されている津波避難施設の早期完成を目指し、土砂崩れ等で高城・清川地区の山間部に孤立集落が発生しないよう、う回路の整備などを進めていく。町内の医師の高齢化も課題に挙げており、県内の医療大学などとの連携を強化し、担い手を確保。地域医療の充実も図っていく。また、町の経済を支える第一次産業全般の活性化を後押ししていくことも訴えている。