日高地方でも連日、熱中症患者の救急搬送が相次ぐなか、飲料等のインターネット販売を手がける印南町印南、株式会社ナカヱ(中江稔浩代表取締役社長)の社員11人が、熱中症対策の正しい知識を持って普及・啓発活動を行う「熱中症アンバサダー〇R」の講座を受講し、全員が試験をパスして資格を取得した。
熱中症アンバサダー〇Rは、大塚製薬株式会社(東京都)が自治体・学校・企業などを対象に、熱中症対策の正しい知識を伝え、周囲の人々への声かけの輪を広めてもらうことを目的に設けた認証制度。熱中症のメカニズムや熱中症になった際の正しい対応方法について講座を学び、50問の試験を受け全問正解すれば、アンバサダーに認定される。
ナカヱでは、インターネットの販売サイトで熱中症対策におすすめの飲料の紹介を行うなどしていたが、今回正しい知識を得て、消費者や周りの人などに伝えていきたいと講座を受講することにした。アンバサダーとなった社員は「飲料を扱う会社として少しでも熱中症対策に役立ててもらえるよう、お客様や地域の人にアドバイスできるようになりたい」と話している。
熱中症を防ぐにはこまめな水分補給と適度な塩分摂取が必要とされているが、社員によると、対策に適した「熱中症対策飲料」があり、食塩相当量が飲料100㍉㍑中0・1~0・2㌘あるものが該当するという。「飲料を選ぶ際には、成分表に書いてある食塩相当量にもぜひ注目してほしいです」と話す。
このほかの効果的な熱中症対策は、▽水分補給のタイミングは1日に8回、1回150㍉㍑を摂取する▽本格的な夏が来る前の5~6月に運動をするなどし、身体を暑さに慣らしておく▽アイススラリー(シャーベット状の飲料)で身体の深部体温を効率的に下げる▽症状が出たら身体を氷水に入れて冷やす――などがある。
アンバサダーの知識を生かし、ナカヱでは今後、販売サイトの充実や会社のホームページにも情報を掲載し、啓発活動を行っていくことを予定している。