8日夕方に発生した日向灘を震源とするマグニチュード7・1の地震を受け、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表し、南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が普段と比べて相対的に高まっているとした。

 気象庁によると、過去の世界の大規模地震の統計データでは、1904年から2014年に発生したマグニチュード7・0以上の地震1437事例のうち、その後同じ領域でマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例あり、その中には2011年の東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9・0)も含まれている。これらの事例から今後7日以内に周辺でマグニチュード8クラスの地震が発生する頻度は数百回に1回程度になるという。さらに調べると1854年の安政大地震も最初に東海沖で安政東海地震が発生し、32時間後に紀伊半島沖を震源に安政南海地震、さらにその2日後には大分県と愛媛県の間の豊予海峡で豊予海峡地震と、一つの地震をきっかけに連動するかのような地震が過去にも発生している。

 過去の事例を調べるほど心配度が増してくるが、実際そういった可能性は高くなっているので、備えるに超したことはない。特にここからの1週間はお盆休みや夏季休暇の時期で、里帰りや旅行など住み慣れていない土地へ行くことも多いだろう。

 食料や防災グッズの備蓄も必要だが、まずは地震の揺れや津波から、自分や家族の命を守ることが最優先。出かける予定がある場合は、目的地、道中での危険度、被災した場合の対応を考えておく必要がある。(城)