近年、夏の風物詩と言われる夕立が少なくなったような気がする。筆者だけかと思い、インターネットで調べてみても同じような書き込みもあった。夏の昼過ぎから夕方にかけて降る雨のことで、地上と上空の気温度差によって大気の状態が不安定になり、積乱雲を起こして雨を降らす。

 今年の夏、御坊市などでは連日、日差しが照りつけるカンカン照り。雨すら降らず、猛暑が続いている。しかし、約50年ほど前の小学生時代は印南町の地元の少年野球チームに所属し、夏休みも練習に明け暮れていた。当時は夕立が降ることが多く、雨が降り始めると、練習が中断して休憩できることをひそかな楽しみだった。グラウンドに水が溜まり始めると、「もっと降れ、もっと降れ」と心の中でつぶやいた。それでも雨はすぐに止み、練習が再開しなければならないのを残念に思った記憶がある。

 ところが、近年は「夕立」の代わりに「ゲリラ豪雨」が頻繁に発生。夕立もゲリラ豪雨も雨を降らすメカニズムは同じだという。しかし、夕立という言葉からは情緒を感じさせるが、「ゲリラ豪雨」からは災害を連想させるマイナスイメージしか思いつかない。夕立のような一時的に降るにわか雨にとどまらず、降り始めると長時間に渡って豪雨となるケースが多くなっているようだ。

 今まで聞き慣れなかった「線状降水帯」という言葉も頻繁に使われるようになり、毎年のようにどこかで大雨による甚大な被害を受けている。雨が降り始めたとき、「すぐに止むだろう」と、軒先などで雨をしのぎながら待機する「雨宿り」という言葉が将来的には死語になってしまうのかもしれない。(雄)