寄付の目録を手渡す寺岡さん㊨と寒川教育長

 由良町網代の寺岡弘司さん(61)が5日、町教育委員会に普段出る小銭でためた5万4000円を寄付した。母の思いを引き継いで高校生のころから40年以上行っており、小銭がたまるたびに寄付している。

 寺岡さんは4人きょうだいの末っ子。由良小学校卒業時に、母の和枝さんがお世話になった学校へのお礼として、普段集めていた小銭を弘司さんの名前で寄付した。そのとき、学校からお礼をいわれた弘司さんは、自分のお金でないことに後ろめたい気持ちになり、高校生になってからは自身で集めて学校に寄付するようになった。その後、郵便局員として働くようになってからも、小銭が集まるたびに小学校に寄付を続け、学校からは「ビーカーを買いました」「図書を購入しました」などの手紙をもらっていたという。

 今回も3、4年かけて集めた分を寄付し、受け取った寒川正美教育長は「教育のために使わせていただきます」と述べ、同席した山名実町長も「ありがとうございます」と感謝した。寺岡さんは「いつもは小銭なのでいくら寄付したかはわかっていませんでしたが、今回は小銭を必要としているお店で両替してきました。キャッシュレスの時代で小銭も減りましたが、これからも続けていければ」と話している。