日高川町入野の川辺果樹選果場の隣接地に増築された施設

 JA紀州(芝光洋代表理事組合長)は川辺果樹選果場(日高川町入野)とゆら柑橘撰果場(由良町里)を一体化させる。現在の川辺果樹選果場を増改築し、2つの選果場を統合させたJA紀州柑橘統合選果施設を建設。新しい施設には最新の選別機器を導入し、果実の品質判別性能が一層アップ。工事は終盤に入り、竣工式は28日、現地で行われる。

 川辺果樹選果場は御坊市、日高川町、印南町、みなべ町、田辺市龍神村からの柑橘類が出荷され、ゆら柑橘撰果場は由良町、日高町、美浜町から搬入されている。JAは管内にある2つの柑橘選果場を一つにまとめ同一品質の供給量を確保。ブランド品の市場評価を向上させ、有利販売につなげることなどを狙いとしている。

 増改築を行っている現在の川辺果樹選果場は鉄骨2階建てで、延べ床面積は4244平方㍍。増築は現施設の南東側に鉄骨2階建てを建築。1階(1141平方㍍)は出荷物などの積み下ろし場と荷下ろし場、2階(907平方㍍)は出荷物の貯留施設と生産企画室を設ける。新しく導入される選果機はセンサーで糖度や酸度が判定できるほか、果実の腐敗に対する判別機能が向上する。出荷箱(段ボール)のバーコードから生産履歴など読み取る機器も備える。既存施設の屋根などを改修し、今の機器も新しく取り替える。

 現在は増築部分の建屋が完成し、機器の設置も終盤に入った。9月上旬から出荷がスタートする温州みかん極早生から供用開始となる。

 事業費は増築が2億8440万円、機器の導入は10億8430万円。設計監理は県農業協同組合連合会、施工は湯浅町の株式会社中井組(中井崇義代表取締役)、機器関係はシブヤ精機株式会社(本社・松山市)。