24日は土用の丑。土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前日までの18日間で、「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」があるそうだ。一般的に「土用の丑の日」といわれているのは「夏土用の期間に含まれる丑の日」のことで、この日にはウナギを食べると夏バテしないという風習がある▼土用の丑の日にウナギを食べるようになったのは江戸時代から始まったとされている。蘭学者平賀源内(1728~80)が知り合いのウナギ屋から夏場に売れ行きが低迷していたことで相談を受け、「う」の付く物を食べると夏の暑さに負けないという言い伝えがあることから「本日土用丑の日。ウナギを食べれば夏バテしない」と書いた看板を店頭に立てたところ飛ぶように売れたという。科学的にみてもウナギにはエネルギー代謝に重要なビタミンB群、抵抗力を高めるなどの効果があるビタミンAやビタミンEが豊富に含まれ、夏バテ防止には効果があるようだ▼しかし、もともとの由来は「う」の付く食べ物だったため、ウナギだけでなくても、うどんや瓜(うり)などもそれに当てはまる。日高地方特産の梅干しもその一つで、梅干しに含まれているクエン酸は夏バテと大きく関係する胃腸の不調を改善するほか、疲労回復の効果もある。日本一の産地のみなべ町で、「夏が暑いほど梅干しの売れ行きが好調になる」ということを聞いたこともある▼ウナギは近年、価格が高騰し、庶民が購入しづらくなっているのも事実。梅干しを作る過程では「土用干し」という作業も行われ、梅干しは土用との関係も深い。ウナギに対抗し、「土用の丑に梅干し」を広く普及させ、梅の消費拡大につながることを期待したい。(雄)