和歌山高専が進めていた体育館の新設工事が終わり、17日に完成式が行われた。古い体育館と武道館を一つに集約するとともに、避難所としての機能を強化するため高台に移転した体育館で、井上示恩校長は「念願の新体育館で、学生のため、災害時には避難所として活用したい」と期待を込めた。
以前の体育館は校舎の西側に2カ所、周辺には武道館もあり、いずれも老朽化が進んでいたため、一つの施設に集約。災害時には避難所として使用されるので、新設体育館はもともとテニスコートがあった高台に移転し、空調設備のほか停電時は発電機につながる機能も備えた。
完成式は同校の60周年記念として行われ、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部の笠原隆部長や印南町の日裏勝己町長、国会議員秘書らが出席。井上校長はまず「60周年を迎えられたのは多くの皆さまのおかげで、その間、本校では約8300人の卒業生が優れた技術者や教育者、経営者として世界で活躍しています」と述べ、体育館については「体育室や柔道場、トレーニングルームなどを備え、床はクッション材を使用するなど安全性にも優れ、災害時には避難所としての機能にも期待したい」とあいさつ。笠原部長らが祝辞、国立高専機構の谷口功理事長が謝辞を述べ、テープカットで祝った。続いて60周年記念講演会が開かれ、九州大学理学研究院物理学部門教授の木村崇氏、東京工業大学工学院機械系教授の小竹元基氏が学生たちに向けて話した。