
わかやま寅さん会(西本三平代表)主催、映画「家族」上映会が6日、山田洋次監督と主演女優の倍賞千恵子さんをゲストに迎えて和歌山県民文化会館大ホールで開催。山田監督と倍賞さんらの対談、倍賞さんと夫の小六禮次郎さんのコンサートもあり、5時間半に及ぶ盛りだくさんのイベントを約1200人が楽しんだ。日高地方からも約100人が参加した。
「家族」は大阪万博のあった1970年の映画。華やかな高度経済成長の裏で、一つの家族が生きるために懸命に現実と戦う姿を描いて感動を呼んだ。山田監督も客席に座って参加者と一緒に鑑賞。長崎の貧しい一家が新天地を求めて北海道を目指すロードムービーで、悲しみを乗り越え北海道で春を迎えた家族の姿で終わると大きな拍手が起こった。
対談は「寅さん」にも出演している俳優の北山雅康さんの司会で行われた。山田監督、倍賞さん、和歌山市出身の山田組照明スタッフ土山正人さん、北山さんの4人で話す形。山田監督は「自分の映画を映画館で観る機会はあまりなく、和歌山の皆さんと一緒にこの映画を観られてうれしい。日本人がまだ元気だった頃の話」と話し、倍賞さんは撮影時に長崎弁の特訓を受けたことを回想。主役の民子が「春になればいろんな花がいっぺんに咲いて、牛も草をモリモリ食べて、何もかもよくなる」と夫を励ますセリフを「今でもちゃんと長崎弁で言える、大好きなセリフ」と話すと、山田監督は「実は僕が考えたんじゃなく、事前に北海道の酪農家の方から聞かせてもらった言葉だった」と裏話を披露した。ロケは、撮影が行われるとは事前に明かさず突然街中でスタート。山田監督が丸めた台本をサッと高く上げると役者がすぐ周りに集まって芝居が始まったことなど振り返り、懐かしんでいた。対談後は倍賞さんと小六さんのコンサート。ヒット曲「下町の太陽」などを熱唱した。
わかやま寅さん会御坊日高支部代表の橋本厚洋さん(75)は「皆さん大変よかったと喜んでくださり、コンサートでは涙が止まらなかったという方もおられました」、同支部メンバーの小田憲さん(73)は「御年93歳の山田監督と83歳の倍賞さんが元気にお話されるのを観ていると自分などまだまだ若造だと思えて、パワーをもらいました」と話している。


