2025年大阪・関西万博(来年4月13日開幕)期間中、和歌山ゾーンで開催するコマーシャルウィークに出演する県内26団体が決まり、日高地方から日高町原谷の黒竹を守る会(金﨑昭仁会長)と日高川町鐘巻の道成寺が選ばれた。黒竹を守る会は、遊休農地を活用して町特産の黒竹を植栽している取り組みをプレゼン、道成寺は絵解き説法を披露する予定で、世界に発信する絶好の機会となりそう。
万博期間中、県は関西広域連合が設置する関西パビリオン内に和歌山ブースを常設。映像、ステージ、フードの3つのコンテンツで自然、人、産業、文化などの魅力を発信する。
ステージのコンテンツでは、期間中の約4週間(日程未定)をコマーシャルウィークとして和歌山ゆかりの団体に地域の魅力を発信してもらう。出演希望団体や事業者を公募し、26団体を決めた。
黒竹を守る会は、黒竹工芸作品の展示のほか、昨年度から実行している「耕作放棄地への黒竹植栽の取り組み」をはじめ、SDGsとのつながり、11月に計画している地元小学生の黒竹植栽体験の様子なども盛り込み、歴史や現状、課題、伝統文化を再び盛り上げるための取り組みをプレゼンテーションする。
金﨑会長は「世界から集まる万博は絶好のPRの機会。希少性の高い黒竹を一人でも多くの人に知ってもらい、地場産業の再興のきっかけにしていきたい」と話している。
道成寺は701年に創建された和歌山最古の寺で、安珍・清姫の悲恋物語が有名。人形浄瑠璃や歌舞伎の演目でも演じられている。万博では、小野俊成院主が、一夜の宿を求めた僧・安珍に清姫が恋の炎を燃やし、裏切られたと知って大蛇となって追い、最後は道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺すという物語の絵とき説法をユーモアを交えて披露する。
小野院主は「巻物を使った絵ときは全国でも道成寺だけだが、県内では掛け軸を使った絵ときが高野山や熊野にあり、和歌山県は絵ときの聖地。世界的にみても道成寺の絵ときは芸術性に高く、万博を機会に絵ときの聖地和歌山の代表として世界に発信したい」と話している。