任期満了に伴う東京都知事選が6月20日に告示、7月7日に投開票が行われます。日高地方でもつい先日、御坊市長選が行われ、県内では次期衆院選に向けて各党が動き始めました。政を為す為政者はみな、ふるさとや国家を憂い、志を持って選挙に臨みます。本書は占領期から現在に至る戦後政治の通史として、自民党の55年体制とその崩壊、民主党への政権交代を経て第二次安倍政権の誕生、長らく続く安倍一強時代までの流れを俯瞰します。

 戦後の日本は圧倒的に強い右派の自民党が政権を取り続け、対峙する左派の社会党、立憲民主党が左寄りに傾斜し、著者は両者が激しくイデオロギーで対立している現状を「ネオ55年体制」と表現します。こうした状況はそもそも何が原因となっているのか。米ソ対立下、西側の一員として主権回復を果たした日本、吉田茂首相は米国の経済援助のバーターとして防衛力増強を義務づけられ、陸海空の自衛隊を創設しましたが、これが憲法9条との整合性を問われ、憲法を改正して堂々と再軍備を進めよという自主防衛論と、左派社会党が主張する憲法擁護の観点からの自衛隊と日米安保を廃棄せよという非武装中立論が対立。しかし、吉田首相は自衛隊が9条規定の戦力にはあたらないとし、憲法問題の明示的解決をあえて図らず、問題そのものを否定したことがその起点になったと振り返ります。

 その後、憲法問題は政党間競争の在り方を枠づけされ、国政選挙で保守政党は政権維持のための2分の1以上の議席獲得を目指し、護憲派野党は改憲の国会発議を阻止できる3分の1を超えることで「勝利」を誇るようになり、憲法問題が万年野党に存在意義と自己満足感を与えた――と指摘しています。

 いま、派閥の裏金からの政治とカネの問題で、岸田政権が激しく野党の追及を受け、窮地に陥っていますが、次の衆院選で野党は議席を伸ばせるか。(静)