切目川の河原で「ととのう」体験

 近年のサウナブームで次々と新たな業態が誕生するなか、印南町羽六では、切目川の河原で自然を感じながらプライベート空間でサウナを楽しむ「みかんサウナ」が若い女性を中心に人気を集めている。インスタグラムで動画や写真を投稿しており、それを見たサウナを楽しみながら各地を旅する「サ旅」愛好者の間で話題となっている。

 みかんサウナは昨年8月から営業を開始した。テントサウナの中の熱した石(サウナストーン)にみかん水をかけ、みかんの香りの水蒸気を楽しめるのが特徴。サウナで体を温めた後は、目の前の切目川に入って冷水浴をし、河原で休憩して「ととのう」状態をつくる。みかんの収穫期になる11~12月には、地元の農園でみかん狩りも体験できる。

 今シーズンは今月6日から営業を開始。この日は大阪市から3人組の客が訪れた。インスタグラムをきっかけにみかんサウナを知り、昨年11月に初めて利用。切目川の自然に魅了され、再び訪れたという。林満里奈さん(35)は、「京都や滋賀の琵琶湖など、仲間で各地のサウナを巡っていますが、自然の緑と川の音を感じられるところはないので、ここはとても気に入っています」と話していた。

 みかんサウナを運営する中西秀孝さん(48)は、会社員として働きながら映像・Web制作なども行っており、みかんサウナのインスタグラムでも、サウナの様子や切目川の自然の魅力を伝える動画を制作し、「#サ旅」などのキーワード(ハッシュタグ)を付け投稿している。それが若者の目を引き、利用者は20代、30代の若い女性が圧倒的だという。県外の客も多く、東京から来た人もいる。

 中西さんは「みかんサウナを目的に来られる方がほとんどで、サウナの後の周辺観光案内をすることもあります。これからは地元の施設などと連携しながら、この地域を楽しんでもらう取り組みもやっていきたいです」と話している。

 利用は1組(2~3人)2時間で1万5000円。1㍑のみかんジュース付きで完全予約制。詳細はインスタグラム(mikan_sauna)。