子どものころ、大人気だった漫画「キャプテン翼」に影響され、ツインシュートやスカイラブハリケーンを真似した人も多いだろう。筆者もその一人。小学校のころから休み時間にサッカーをするのが一番楽しかったのを思い出す。キャプテン翼がきっかけでサッカーを始めたプロ選手もたくさんいて、元スペイン代表のフェルナンド・トーレスのほかメッシ、ネイマールなど世界トップレベルの選手にも影響を与えている。人生を変えるほど漫画の力は偉大だ。

 小柄ながら高いジャンプ力のスパイカーと、正確無比のセッターとのコンビで次々とスパイクを決め、チームワークで強豪を打ち負かしていく漫画「ハイキュー‼」。爆発的な人気を誇るバレーボールのアニメで、放映中の映画も大ヒットしている。ハイキューの影響もあってバレーをしたいという男子が増え、南部バレーボールスポーツ少年団に男子チームが発足したのが10年ほど前。ハイキューの主人公が所属する烏野高校と同じデザインのユニホームは今も変わっていない。

 その南部男子が県勢初の快挙を成し遂げた。3月29日から仙台市で開かれた全国スポーツ少年団交流大会でブロック優勝したのは既報の通り。チームの代表者は、過去に切目ジュニアで全国制覇を2度達成している石上貴一さん。全国優勝は30年ぶり3度目だ。毎年2月に全国の強豪を招いて梅の里小学生バレー大会を開催するなどバレーへの情熱と、子どもたちの日頃の練習の成果が実を結んだ。大人になっても誇れる結果を選手諸君は大きな自信として、次のステージでも大いに飛躍してほしい。感謝の気持ちを忘れずに。(片)